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10 向こうから望んだご縁でしたのに

Author: さんけい
last update publish date: 2026-10-23 16:00:00

先に息をついたのはキャサリン姉様だった。

「そこまで露骨に考えていたかは分からないけれど、少なくとも“我慢してくれる娘さん”だとは見ていたでしょうね」

私はうつむいた。

責められた気はしない。でも、その見方を否定しきれない自分が少しだけ苦かった。

たしかに私は、ずいぶん長いあいだ我慢していたのだ。

言えば角が立つ。黙れば済む。

そうやって、毎回ひとりで気持ちを収めてきた。

けれど、それが相手にとって「この娘は飲み込む」と映っていたなら、やりきれない。

「イブリン」

お母様が穏やかな声で呼んだ。

「今、そう思うのは自然なことよ。でも、あなたが我慢したこと自体が悪かったわけではないの。悪いのは、その我慢に甘えて、当然みたいに振る舞った側です」

私は頷いた。

目の奥が少し熱くなったけれど、泣くほどではなかった。ただ、固く結ばれていたものが少し
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